「映える」鉄道写真はどのようにして作るのか

動機

 私は撮り鉄として鉄道を撮ることが好きなのだが、ネット上では自分の写真よりももっと面白く、見応えのある写真を投稿している方が多くいる。そこで、自分なりに見応えのある写真を作ってみたいと考え、作り方を調べてみることにした。

「映える」の定義について

 今回は「映える」写真作成を目標にしているが、そもそも「映える」とはどのような意味なのだろうか。調べてみたところ

1. 他と比べても特に際立っている。引き立つように見栄えがするさま。

2. 立派に見える。一際美しく目立って見えるさま。

となっていた。

 色々と考えた結果、今回の目標は「在り来りではない目立つ写真」を目指していることから、2の意味が1番近いと結論付けた。なので、今回のレポートでは2の意味として「映える」という言葉を使うことにしている。

仮説

1)背景と主体(この場合だと鉄道)を合わせる

→主体と背景が全く関係の無いもの同士で構成された写真はやはり見る側に混乱を与えてしまい、「映える」という目標から遠ざかってしまうのではないかと考えたため。

2)普段見れない視点から撮る

→普段見れない視点からの写真を撮ることにより、迫力感などが増すのではないかと考えたため。

検証方法

 数枚の「映える工夫をした写真」と「普通の写真」を比べ、今回の目標である「映える写真」になっているか検証し、効果的な工夫の仕方を模索していく。 

検証結果

《1.背景と主体を合わせる》

 下の3つの写真は山手線の背景を切り抜き、それぞれ森、海、宇宙に加工したものである。是非、加工した3枚の写真を見た後に元の写真と見比べて頂きたい。

(山手線は「都会、東京」のイメージが強いため、全く関係の無い森、海、宇宙を選択した)

個人的には鉄道とは程遠い背景を選択したつもりなのだが、意外にもマッチしていて見応えがある写真となったのである。山手線のイメージとは程遠い存在の背景であったにも関わらずである。

  「もしかしたら山手線だから偶然マッチしたのかもしれない」と思い、今度はD51の背景を同じく3種類のものに変更することにした。その結果がこちらである。

 またしてもマッチしていて良い写真となっているではないだろうか。

 流石に限度というものがあるので、どんな背景であろうとも必ずマッチする訳では無いが、明らかに合わないと思われていた組み合わせが意外と合うという事例が生まれ、「背景と主体を合わせることだけが写真を良くする策ではない」と言える。

↑(※限度を超えた事例)

 今度の検証ではまた違う背景の合わせ方をしてみることにした。2枚の同じ写真を用意し、一方の背景をその写真の主体に合わせるよう加工した。是非2枚の違いを見比べて頂きたい。

 上の画像に少し手を加え、主体(この場合だと山手線)に関係のあるものを背景に加えて加工したのが下の画像である。下の画像は本当に少ししか手を加えておらず、

「Yamanote Line」の文字と山手線の路線図、そしてJR東日本のロゴを付け加えただけである。

 しかしこれにより、ガラッと印象が変わり、ただの山手線の画像と比較しても「山手線」という主体が際立ち、より目立つ作品、つまりより「映える」写真になっていると言える。

《2.普段見れない視点から撮る》

普段見れない視点から撮影された写真と、普通の写真2枚を用意したので、まずはご覧いだだきたい。

 上の写真が「普段見れない視点から撮影された写真」、下が「普段の写真」である。

 見てもらえれば分かるように、上の写真は橋の上かつ電車の通るレールからの視点という、普段は絶対に見ることの出来ない視点から撮影されている。これにより、まるで電車が今にも橋を渡り、こちらに迫ってこようかという雰囲気が見る側に伝わってくるのである。

 では今度はこちらの2枚の写真を見て頂きたい。 どちらも新幹線「のぞみ」の写真なのだが、2枚の写真から伝わるものに差があるのである。

 この2枚の写真の違いは「視点」の違い1つだけである。「早すぎて背景が霞んで見える」という「視点」は、普段見ることはできないものである。これにより、新幹線の「速さ」が見る側に良く伝わり、「新幹線らしさ」が現れる写真となっている。

 まさにこれこそ、「映える写真」に近いものであると言えるだろう。

考察

 仮説1の「背景と主体を合わせる」についてだが、合わせることで写真全体の見応えやテーマ、見る側に与える印象などは良くなるのだが、だからと言って合わせることが1番良い訳ではないと思う。理由としては、最初は奇想天外だと思っていた主体と背景の組み合わせも、場合によってはしっかりとマッチして逆に「映える写真」になる事例があり、断言は出来ないからである。

 仮説2の「普段見れない視点から撮影された写真」についてだが、2つの写真の見比べから、視点を変えることで写真の雰囲気やテーマを大きく変化させることができ、「映える写真」になる可能性を十分に秘めているため、工夫としては最適だと思う。

感想

 今回、「映える写真作成」という目標で検証を行ったが、全て個人的な視点からの推測という形になってしまい、信憑性が低くなってしまっていたので、他人からの評価を加えるなどの工夫をするべきだと思った。  

参考文献

映える とは 8/20

https://www.weblio.jp/content/%E6%98%A0%E3%81%88%E3%82%8B

京都丹後鉄道 日本の旅

http://www.uraken.net/rail/chiho/kitakinki.html

日経クロスティック

東海道新幹線、2009年春から無線LANサービス提供

https://xtech.nikkei.com/it/article/NEWS/20060629/242122/