日本の列車は世界トップクラスの安全かつ正確な運行を行っている。しかし、そのような中でも様々な要因によって、遅延あるいは運休が生じることがある。これを読んでいるあなたも何回も遭遇したことがあるだろう。
◎運行に支障をきたす例
・人身事故
・踏切事故
・大雨、大雪、強風、地震等自然災害
・非常停止ボタン作動、防護無線受信などによる安全確認
・信号装置故障
・急病人救護
・車両点検、車両故障、ドア点検等車両不具合
・混雑
・線路内人立ち入り
・線路内発煙
・ポイント故障等設備故障
・異音の確認
など
このように、ぱっと思いつくだけでもこれだけある。混雑や急病人救護による運行支障の場合は10~20分程度の遅延で済む場合がほとんどであろう。しかし、人身事故や踏切事故などとなると1時間半程度は運転見合わせになる場合が多く、大雨などの自然災害によるものについては、運転再開までの時間が読めない。現に、大雨の影響により長期間不通を余儀なくされている路線も多数ある。
さて、運転見合わせでよく目にするものといえば、一番は人身事故ではないだろうか。人身事故が起きた時にはほとんどの場合は他路線による振替輸送が実施されるが、中には、
”このまま運転再開を待つべきか、振替輸送を利用すべきか迷う”
こんな思いをした人も少なくないだろう。そんな時、それぞれの原因について運転再開までの平均所要時間を知っていればある程度は判断しやすくなるのではないか。そこで、代表的な3つの原因について運転見合わせから運転再開までの平均所要時間を以下にまとめることとする。
①人身事故
→1時間~1時間半程度
「負傷者の救出や警察による現場検証、隣接する線路の確認などの必要な手続きが終了し、現地で対応にあたる警察や消防、当社から派遣した係員などが線路外へ退出し、現場の安全確認が終了するまでは、事故が発生した区間で運転を見合わせる。」(JR西日本HPより引用)
②設備故障
→2~4時間
③車両点検
→15分~1時間程度
(参考:http://osaka-subway.com/post-21345/)
※振替輸送
「振替輸送とは、お客様が支障区間の乗車券をあらかじめお持ちの場合で、列車の運転に支障があった際、当社の路線又は当社が他の鉄道会社に依頼して、お客様の所持する乗車券の区間内を、他の経路によりご利用いただくものです。」(東京メトロHPより引用)
◎定期券・乗車券を持っていなければ利用できない(=SuicaなどのICカードの残高では利用できない)
◎利用できる区間が定められている
以上より、振替輸送が実施される場合は、運転再開まで相当な時間がかかると見込まれる時なので、支障発生直後に当該区間を移動したい場合なら、振替輸送を利用した方が良く、支障発生から30分程度経っている場合ならば運転再開を待っていた方が良い場合が多い、と考えられる。